The storii
香港科技大学のMBAの仲間たちが、夜な夜なカフェでスマートフォンを「スクリーンレス」で使う方法を模索し、一番最初のプロトタイプを作ったことがORIIの原点です。
アイデアのきっかけとなったのは、Origami LabsのCEO Kevinの父であるPeter氏でした。Peter氏は目が不自由で、スマートフォンなどのデバイスを使う際には、スクリーン無しで使える代替のものが必要です。また、画面とタップが操作の基本となるスマートフォンを使うのは、難しくもあります。
そこから、メンバーたちは「スクリーンフリー」でスマートフォンが使えそうなあらゆる方法を実験し始めます。
その結果、21個のプロトタイプを経て、現在のORIIに辿り着きます。ORIIは初期のコンセプトを微塵も感じられないほど進化してきましたが、現在もなお研究を繰り返し、今後も更なる挑戦と進化が期待できるはずです。
ORIIのテクノロジー
スタイリッシュで丈夫な耐水設計。そんな先進的な音声技術が組み込まれたORIIは、新たな会話型のインターフェースを作り出します。それは、日々繰り返す細かいコミュニケーションにおいて、なくてはならない存在になるでしょう。
ORIIの骨伝導技術
ORIIには、長年医療機器に使用されてきた骨伝導技術を使用しています。
また、ORIIに使用している骨伝導トランスデューサは、電気信号を振動に変換し、鼓膜を通らずに骨から直接内耳に送ります。そのため、骨伝導がちゃんと作動すると、騒音のある場所であっても、非常に高品質な音を体験できます。
骨伝導マジックなら、周囲に聴こえる音は最小限に、はっきりと音を聞くことができます。しかし、多くの骨伝導製品では、周りの人に何を聴いているか分かる程の音漏れに悩んできました。
この理由の多くは、大出力の大きなアクチュエータを使用しているためです。そこには、「クリアな音」になればなるほど、「音漏れ」が大きくなるというトレードオフが生じるのです。
どう聴こえるか
こちらのビデオでは、振動センサーを使用してどのようにORIIから音がするのかを聴いていただけます。
ORIIは人の声をはっきりとクリアに聴こえことを目的としています。指から音を伝導することにより、
・音の伝導距離の短縮により、音質向上
・より小さいアクチュエータの使用で音漏れを最小限にする
ということを行っています。
骨伝導オーディオで大切なことは、使う環境に応じて、「クリアな音」と「プライバシー」のバランスをとること。ORIIでは、電車の駅やレストランなどの騒音の激しい場所に備えて最大ボリュームを設定しています。一方で会議室などの静かな場所では、「クリアな音」と「プライバシー」のバランスが最大になるように、音量を小さくすることができます。
Origami Labs
1枚の紙から美しいバランスのとれた鶴を折るように、本当に素晴らしいソリューションというのは、シンプルさの中から生まれると考えています。
Origami Labsが目指す未来
これまでもユーザーエクスペリエンス向上の為に、いくつものアップデートを行ってきましたが、発売から7ヶ月経った2019年7月、意外なアップデートを発表しました。このアップデートにより、これまでのボタンによる操作だけでなく、ジェスチャーによって操作が可能になったのです。これは、ただ機能が追加されただけでなく「音声アシスタントの再定義」という新たな方向性の発表でもありました。
Origami Labsでは、昨今の音声アシスタントユーザーの増加と、ユーザーが求める「自然で簡単な使い方」というニーズを踏まえて、すべてのスマートデバイスが指一本で音声アシスタントによって簡単に使えるという世界を目指していきます。