※この【天体望遠鏡 eVscopeブログ】は実際のユーザーの方のお声を記事にまとめたものです
2020年9月9日 Unistellar eVscope到着!
All in one型電子観望用天体望遠鏡
先週こんなものが海外から届きました。
Unistellar のeVscope。
3年前にKickstarterのクラウドファウンディングで出資を募っていたのを、その時の勢いで投資していたもの。
3年ほど経って、この9月に日本向けの発送が始まり、先週届いたところです。もともと遅れ気味であったのに、Covid19のせいでさらに数ヶ月遅れとなりました。
簡単に言うと、All in one型の電子観望用天体望遠鏡と言ったところかな。
(Celestronの)Starsense explorerでも搭載されていたPlate solving技術を使って、自動アライメント、自動導入の経緯台を実現してます。
バッテリーが架台の中に組み込まれていて、操作はWiFi経由でスマホから行うようになっており、外側にケーブル類がなく、すっきりした外観です。
従来型の光学的観望はドブソニアンなどで、そしてこの望遠鏡で電子観望を楽しもうと思ってます。
イメージセンサーとしてはSONYの小さなチップ、IMX224が組み込まれています。
数千の天体データベース、画像簡単保存
CelestronのStarsense Explorerの方は、登録された天体のデータベースが物足りないですが、このeVscopeは数千の対象が登録されており、観望対象となるような対象はほぼ網羅されているようですね。さらに、登録されていない対象のために、経度、緯度情報を入力して自動導入できるようになっています。
操作に使っているスマホに簡単に保存できるし、スマホなんで他への転送も自在のようです。
それが持ち味かも。
eVscopeのFBコミュニティでは各人が撮影した画像がぞくぞくと投稿されてます。
観望会に持ち込めば、参加者に受けそう。
これまでとはまた違った楽しみ方ができそうです。
主鏡はきれいな放物面鏡、でも鏡筒の内面はツルツル
性(さが)ですかな、届いたばかりの望遠鏡の主鏡を取り出してフーコーテストしてみました。
多少のリングはあるものの、総じてきれいな放物面と言えるのでは。大量生産のための機械研磨ではリングはできやすいと聞きますしね。
あやしい/安物の反射望遠鏡では球面鏡が使われていることが多いみたいですが、この望遠鏡はこの部分にはきちんとコストを掛けているみたいで安心しました。
主鏡はちゃんとした放物面鏡でコストはちゃんとかけてる、という一方で驚きがひとつ。
なんと、鏡筒の内面がつや消し塗装されていないのであります。ツルツル、ピカピカのままなのです。
FBコミュニティでみんな気にならないの? 誰か艶消し塗装した人いる? と尋ねてみたけど、ほとんど反応なし。
反応してくれたお方も、悪影響はないよ、と全く気にしてないみたい。
まあ、この望遠鏡の対象は淡い銀河、星雲が主体になろうことから、あまり問題にはならないのかも。
で、塗ろうか、塗るまいかと迷ってましたが、やっぱり性ですねえ、今日、新品の望遠鏡に手を加えてしまいました。つや消し塗料を塗りたくりました。
刷毛塗り塗装なんで、見栄え良くは塗れんかったけど、まあええかあ。
(※塗装をされますと保証対象外になりますのでご注意ください)
ライブビューモードとエンハンストモード
こちらの望遠鏡、ライブビューモードとエンハンスドモードの2つのモードがあります。
淡い銀河、星雲を浮き上がらせるには、後者のモードが必要ですね。
星雲にちゃんと色がついて見えるのがウリ文句ですが、そのとおりです。
Plate solvingを使っており、導入精度は良好です。
明るい空(大阪市内方向の空Bortle scale 8-9)で試して見たせいか、自動導入はややもっさりした感じです。
この前、とある田舎でStarsense Explorerを使ったときは、軽快に導入(手動導入となりますが)できたのと比べると、それよりは軽快さに欠けますね。
しかし、FBコミュニティを見てみると、結構都会でeVscopeを使っていますね。
Bortle 8-9と書き込んでいる人が多いです。
光害に関しては、ひょっとすると日本はヨーロッパや米国よりもマシなのかも。
ピント合わせとか、自動導入時にはライブビューモードを使います。
月や惑星をみるときも、このモードでの観望になりますね。
バーティノフマスクが鏡筒キャップの中に組み込まれているところは親切ですね。
あと、主鏡の光軸調整がXYの2軸で調整するようになっていて、実にわかりやすく、簡単に調整できます。これはこの望遠鏡の優れた点の一つですね。
ライブビューモードではゲインと露出時間の2つをオートあるいはマニュアルで調整できるようになってます。
見え味は通常の望遠鏡とは異なりますよ。
スマホ上では従来の天体撮影でやっているように、PCでの撮像ソフト(Astro photography toolなど)で表示されているライブビュー画面と同様です。
それを望遠鏡のアイピースでも覗けるようになってますが、CMOSで捉えた液晶上の画像をルーペで覗いているだけなので、見た感じは立体感がないというか、のっぺりした平面的感じです。
登場してきた頃のカメラの電子ビューファインダーのようで、精細感はあまりありません。
見かけ視野は狭くて、昔使っていたハイゲンス型アイピースと比べても明らかに狭いですね。次のモデルがあるとしたら、この部分をグレードアップする必要がありそう。
それでも天体望遠鏡を初めて覗くひと、経験はあっても星雲や銀河がぼんやりとしか見えず、がっかりしていたひとには、「ワオー」という感想になるでしょうね。