【天体望遠鏡 eVscopeブログ】Unistellar社にデータ送付

※この【天体望遠鏡 eVscopeブログ】は実際のユーザーの方のお声を記事にまとめたものです

2020年11月16日 eVscopeのCitizen scienceへ参加

UnistellarのeVscopeは言わばオールインワン型電子観望用天体望遠鏡というものですが、単なる電子観望用としてだけでなく、Citizen scienceの仕組みを組み込んだ天体望遠鏡でもあります。

ベンチャー企業Unistellarの設立者の一人でもあり、SETI Instituteの天文学者でもあるFranck MarchisがeVscopeの開発段階から関わって、eVscopeを小惑星や超新星の観測データ収集のツールとして利用できるようになっています。

市民がeVscopeで観測したデータはUnistellarのデータベースに蓄積され、天文学者による解析に供されます。

今年1月よりeVscopeの供給が欧米を皮切りに開始され、日本でも9月初旬から入手できるようになりました。

すでにCitizen scienceの実験がスタートされており、とある小惑星の形状推定に成功したとのアナウンスもありました。

先日、2020 ST1という地球近傍小惑星観測プロジェクトの観測を先週末に実施するというアナウンスがあったので、日本からのCitizen scienceへの参加はまだだれもいなかったようですが、思い切って参加表明しました。

NASAのページ(https://ssd.jpl.nasa.gov/horizons.cgi#results )で、小惑星の名前、観測地点の経度緯度、標高情報を入力すると、小惑星の座標(赤経、赤緯)が計算でき、eVscopeに座標データを入力するだけで、自動アライメント、自動導入を備えたeVscopeが小惑星の位置を正確に捉えてくれます。

14日の夜、天体望遠鏡博物館の観望会終了後にeVscopeでデータ収集し、Unistellarにデータを送りました。

この小惑星の光度は非常に暗く、都会では撮影が無理で、Bortle score 4以下の暗い空でないと無理とのことで、私が撮影場所に選んだ博物館のある某地区はぎりぎりセーフでした。

撮影したそのままの画像では小惑星らしきものは写っていないようでしたが、画像処理で強調してみると、当該小惑星と見られる線像が写っていたので、どうやら観測はうまくいったのではないかと思います。
(露出10分と20分の写真)

中央にかすかに写っている程度です。
10分のより20分の方が長い線で写っているので、これが小惑星が移動した軌跡だな、という推測 ^^;
(2020-11-19:写真を白黒反転させたものに変更)