XGIMIはこれまでにMoGo、MoGo Pro、Halo、MoGo Pro+といったモバイルプロジェクターを日本市場で販売してきました。2021年はついにホームプロジェクター(家庭用の据え置きタイプ)が登場します。
新しいホームプロジェクター『XGIMI HORIZON』はXGIMI史上最強のプロジェクターなのですが、ここではXGIMIプロジェクターの誕生秘話とともに、これまでの軌跡をお伝えしていきます。
もくじ
- XGIMI Story 序章『光のビームから始まる革新』
- XGIMI Story Vol.1『映画館を家に持って帰りたい』
- XGIMI Story Vol.2『良いデザインは、見た目が良いデザイン?』
- XGIMI Story Vol.3『最初のファンである母が教えてくれたこと』
XGIMI Story 序章『光のビームから始まる革新』
映画館での恥ずかしい出来事を、私は今でもはっきり覚えています。巨大なスクリーンを前に登場人物になった気分で迫力あるシーンに魅了され、気がつくと服はコーラまみれ。
でも仕事が忙しくなるにつれて映画館に行く時間は減り、家に帰ると妻や子どもたちはそれぞれ自分のスマホと向き合う日々。そんな日々を過ごしながら「忙しい一日を終えた後、ソファでくつろぎながら家族みんなで映画館のような時間を過ごせたらどんなに素晴らしいだろう」と何度も想像を膨らませました。
だけどそんな私の願いを叶えてくれる物はそう簡単には見つかりません。家庭用のテレビは小さく、大型テレビは高すぎて、当時のプロジェクターは投影サイズこそ大きいものの映画を再生するにはパソコンなどの外部機器が必要で手間がかかる。ピント合わせも台形補正も複雑で家でくつろぎながら使うにはとても不親切でした。
そんな時にあるオマージュ動画を目にしたのです。スマートフォンからキーボードや画面を映し出して操作するというその動画は、何年も前からあるプロジェクション技術の大きな可能性とインスピレーションを与えてくれました。
ここから「映画館を家に持って帰る」という夢の実現に向けた旅が始まったのでした。
XGIMI Story Vol.1『映画館を家に持って帰りたい』
映画館を家で実現するためには「巨大な映像」「没入感のある映像」「圧倒的なサウンド」という3つの要素が必要なのですが、プロジェクション技術の最大の利点である「巨大な映像」に「没入感」と「圧倒的なサウンド」を加えるというのは斬新なアイデアでした。
没入感のある映像
また、「没入感」を実現するには「解像度」「明るさ」「画質」が重要なので、開発の初期段階で「明るさ」と「画質」のための専用ラボを設立して長きに渡り研究を重ねてきました。おかげで今では数少ない自社開発の光学機械を持つプロジェクターブランドに成長しています。
初期の製品が完成すると、大画面はスポーツ観戦にピッタリだろうとサッカー観戦をしたのですが、カメラが選手に合わせて動くたびに映像が揺れたり引っ張られたりするのです。そしてこの体験から、2つのことが必要であると気づいたのです。
1つ目はMEMC技術(フレーム間予測技術)を使ってジッターや残像の問題を解決し、再生時の流動性を実現すること、
2つ目は利用シーンに応じて適した画質のチューニングを行うことです。現在では、投影画像の特性に基づいてXGIMI独自の「X-VUE」イメージエンジンで画質を最適化しています。
XGIMI史上、最高モデル
今回発売する最新モデルHORIZONはXGIMIの最高傑作だと自負しています。まず、解像度はリアル4Kを実現し、従来の4Kプロジェクターより繊細で鮮明な映像を映し出します。
さらに、2200ANSIルーメンまで明るさを高め、X-VUEイメージエンジンにAIカラーディスプレイを追加したことで、周囲の光に応じた映像の調整を行います。
圧倒的なサウンド
映画館を家で実現するには、素晴らしい音響効果は切り離せません。
XGIMIでは映画館のような音響効果を与えるために、100年以上の歴史を持つアメリカのオーディオメーカー「Harman Kardon」とパートナーシップを結びました。
Harman Kardonとの協業において最も大胆なアイデアは、プロジェクターにサブウーファーを搭載したいことでした。しかしこれはHarman Kardonにとっても新たな挑戦で、何百回もの試行錯誤を経た末に、音響ユニットの吊り下げと衝撃吸収材や巧みな構造設計によって実現されました。
プロジェクターは映画鑑賞だけでなく、音楽やスポーツ観戦にも使われます。そこでコンテンツに合わせてサウンドをチューニングし「映画鑑賞」「音楽」「スポーツ」の3つのサウンドモードを搭載しました。
また、DTSだけでなく、映画鑑賞専用のDTS Studio Sound・Dolbyの後処理技術を開発することにより、ユーザーはよりリアルで立体的な音を聞くことができ、ソファに座っても銃弾が耳元を擦るような興奮を感じることができます。
XGIMI Story Vol.2『良いデザインは、見た目が良いデザイン?』
映画館のような投影が実現できるようになると、また別の課題が出てきました。
家庭での使い方についてです。私たちは、従来のプロジェクターの大きさやデザインは家庭には不向きだと考えていました。
良いデザインとは?
良いデザインについては、チーム内でも意見が分かれ全員の意見が一致することはありませんでした。そこで、周りの人たちに投票してもらったところ、最も表を集めたのはクールで派手なスタイルではなく、目立たないけれどシンプルで耐久性のあるデザインでした。そしてその理由は「家のインテリアに合うから」。
辿り着いたコンセプト
この時から私たちの考えは明確なものになります。良い製品・良いデザインは、常に人の役に立つものでなければならないし、使う人と環境の両方を考え抜いた結果として生まれるものである。そうして「寄り添う」というデザインコンセプトを確立します。
それ以来このコンセプトを守り、今では日本のグッドデザイン賞、ドイツのiFデザイン賞やレッド・ドット・デザイン賞など、32個の国際的な工業デザイン賞を受賞しました。(※2021年4月現在)
ベストバランスのHORIZON
新モデルのXGIMI HORIZONは、画質・音質・サイズのベストバランスを追求しました。シンプルで滑らかなスクエアにダークメタルのボディを採用し、コーナーは直角ではなく曲線にすることで視覚的にも触覚的にも心地よさを実現し、家とのバランスを損なわないようにしました。
また、見えない部分にもこだわりが詰まっています。例えば、本体の内側には2つのスピーカーと4つの大きな吸気口が隠されており、後ろ側の排気口は本体に調和するように配置されています。本体上部のボタンも最小限に音楽操作のみにし、それ以外の操作はリモコンで行います。本体表面の小さな穴にもちゃんと意味があり、放熱効果を高めるとともに音波を効果的に誘導してノイズレベルを抑える役割を果たしています。
XGIMI Story Vol.3『最初のファンである母が教えてくれたこと』
家庭用製品はデザインの良さだけでなく、丈夫さと使い勝手も重要です。
「動かしたら映像が歪んでしまった」
私の母はXGIMIの最初のファンで、初期段階から製品を試してくれている一人です。 まだ開発段階だった初期サンプルを持ち帰ったのが始まりでした。壁に映し出される100インチの映像と鮮明さ、色の鮮やかさを絶賛していたのを昨日のことのように覚えています。
しかし、翌日の昼に「掃除をしようとプロジェクターを動かしたら、映像がぼやけて歪んでしまった」と困り果てた母から連絡を受けます。操作と調整の方法を何度も教えましたが、結局調整ができずに古いテレビに戻ってしまいました。
子どもからお年寄りまで操作しやすい製品を
この出来事は「ユーザーがプロジェクターを使用する場面は様々で複雑であること」を私たちに気づかせてくれました。たとえばリビングや寝室で使用する場合、真正面から投影できない時にはフォーカスや台形補正といった複雑な操作は不可欠です。
そこで私たちは年配の方や子どもにも操作しやすくてテレビのように使える製品を作ろうと密かに誓ったのです。そして、プロジェクターの複雑さに対応するための画像認識技術の専門チームを立ち上げました。
最高のプレゼント
絶え間ない技術革新と画像認識技術の蓄積により、XGIMI HORIZONで当初の約束を果たせたことを誇りに思っています。早速体験してもらおうと母のところに持っていったところ、説明する前に電源を押してしまったのですが、すぐにXGIMI HORIZONが起動して自動的に鮮明で綺麗な四角形の映像を映し出しました。
また、HORIZONにはのAndroid TVの最新バージョンが搭載されています。母はGoogleアシスタントですぐに好きな映画を選んで早速楽しんでいました。これは母への最高のプレゼントになりました。
XGIMI HORIZONは家族で楽しめる一台に
XGIMIでは、私の母のようなユーザーを中心に製品を体験してもらいながら方向性を考え、ユーザー視点に立った製品開発を行っています。その中で今回の新型の家庭用スマートプロジェクターXGIMI HORIZONが誕生しました。
より多くの方に、最もリラックスした状態で大画面で没入感のあるエンターテインメントの生活をご家族と一緒に楽しんでいただけることを願っています。